プロローグ


副業である賞金稼ぎの最中、獲物である組織に捕まってしまう紗夢。
気絶させられ、次に意識を取り戻したのは薄暗い部屋の中だった・・・。

「あら、お目覚め?」
いつからそこにいたのか、そこには女が立っていた。
手には指名手配リスト。パラパラとめくりながら紗夢へと顔を近づけてくる。
「ここは…何処ネ」
なんとか声を絞り出して尋ねる。手足が重く、思うように動かせない。
「何処だっていいじゃない。しばらくは関係ないんだし」
しれっとして女が答える。
「賞金を手に入れられなくて残念よねぇ」
自分の顔が載ったページを開きながら、さも楽しそうに女が言った。
「…」
紗夢は言い返せずに歯噛みした。しくじった。多分ここは組織の施設の一画なのだろう。
「まぁいいわ。…それより、なんでこんな所に連れてこられたと思う?」
「そんなの…」
知るわけないと言おうとしたが、既にある疑念が紗夢の頭を回っていた。
この組織は裏の性商売を行っているのは周知の事実だった。自分がその対象に入ったとしたら…。
「察しはついてるみたいね。」
「まさか…」
「そ、アナタも働いてもらうの。その身体ならいい仕事ができるわよ」
紗夢の身体を舐るように見つめ、女が言う。その目つきは実に淫猥だった。
「そんないやらしい身体に薄手の服…私が食べちゃいたいくらいだもの」
事実、紗夢のコスチュームはそう言われても文句が付けられない程に薄手で、そのたるみの少ない生地は紗夢のボディラインを際立たせていた。
「そんなコト言われても嬉しくないアル」
「あらそう? それは残念。私が躾けようと思ったのに…。仕方ないわね」
「…しつけ?」
紗夢が聞き返す。少しずつだが手足の感覚が戻ってきている。なんとか動くようになってきたようだ。もう少し会話を引き伸ばさなければ…。
しかし、女はその質問には答えずに言った。
「やらないなら気にしなくていいわ。それじゃ、少し仕事に慣れてもらうから」
そう言うと、女は手で軽く合図をした。
「異種姦はある程度感じてもらわないと絵にならないしね」
「…え?」
唐突に告げられた言葉を理解する前に、何かが紗夢の目の前に姿を現した・・・。

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