借金返済〜なまこ〜

紗夢は目を覚ました。いつの間に意識を失ったのか。それすらもはっきりとしない。
(…ここは…?)
途切れるまでの記憶を手繰り寄せる。
なめくじのような生き物に好きなように身体を責められていたことを思い出す。
ぞっとした感触を思い出し、身体の方を見やると意識を失うまで体中を這い回っていたなめくじは跡形もなく消え去っていた。服も濡れていない。もしかしたら夢だったのかと思えるほどだ。しかし身体が火照ったままという事実が、先程までのことが夢ではないのだと紗夢に痛感させる。
天井を見ているとふと違和感を覚えた。天井の様子が違う。何か変だ。妙に有機的な感じが…。
「ひっ」
起き上がろうとして床に手を触れた途端、思わず声が上がる。床がまるで生き物の臓腑のような感触だったからだ。
手を見ると妙な粘液がまとわり付いている。
(一体何…)
手をぶんぶん振りながら周りを見回して、そこで紗夢の身体が硬直する。
自分の周りの至る所で、床から何かが「生えて」きていた。
棘の生えた寸胴の身体、先端にある窄まった様な器官は海鼠(なまこ)を連想させる。ただし大きさは段違いで、大きいモノの太さは紗夢の腰回りほどもあるだろうか。それが幾つも床から伸びていた。
思わず腰が引ける。なめくじに弄ばれた嫌な記憶が鮮明にフラッシュバックする。
このままではまずい。
直感的にそう判断した紗夢は素早く立ち上がると出口を探した。
「…え?」
周りを見渡しても入口のようなものが見当たらない。あるのは四方全て、一面臓腑のように蠢く妙な壁が広がっているだけだった。
急に足元が定まらなくなる。見ると、足が触手によって捕えられていた。
「!!!?」
もはや半狂乱になりながら必死に巻き付いた触手を振り払おうとするが、触手はきっちりと足に巻きついており紗夢の渾身の力をもってしても外れなかった。
足に注意が向いているその一瞬に腕にも同型の触手が巻きつき、身体の自由があっさりと奪われてしまう。
次から次へと新たな触手が手足に巻きつく。一旦動きが止まってしまうとどうしようもなかった。
そして触手は紗夢の身体を前に倒すように力を加えてゆく。必死に抵抗するが徐々に膝が曲げられ、四つん這いの様な状態に近付いてゆく。
眼前には先程から「生えて」きていた海鼠がいた。紗夢の身体が近づくと、それらは先端の器官を大きく開き、肉厚の器官を体外に晒す。その構造は人間の口と舌に良く似ており、うねうねと良く動くのが見て取れた。同時に溢れたぬるっとした液体が海鼠の体を伝い落ちる。
「い、いやぁぁ!」
身をよじるが大した効果もなく、肢体が海鼠の舌に到達してしまう。
途端、舌が紗夢の身体を嘗め始めた。何体もの海鼠が紗夢の身体の下から、乳房、へそ、性器、太ももなど所構わず嘗め回す。
「な、なにを…はぁぁっ」
何体もの海鼠が紗夢の下に集中して「生え」、紗夢の身体を責めたててゆく。
紗夢は必死に身体を起こそうとするが、腕を背の方向に吊るし上げられ思うように動けなかった。それどころか逆に、上から力を加えられて海鼠の舌に自分の身体を押し付けられてしまう。
海鼠の舌はねっとりとした液体を伴なわせながらべちゃべちゃと卑猥な音を響かせ、紗夢の柔肌に唾液のような液体を刷り込んでいった。
「はぁ…うぁっ」
喘ぎ声とも苦悶とも取れる声が紗夢の口から漏れた。
なめくじに責められて絶頂に達せなかった火照った感覚が一気に戻り、紗夢の理性を焼いてゆく。
特に乳房と股間は火照りが酷い。それを知ってか知らずか、海鼠達は念入りに乳房と股間を嘗め回してくる。
紗夢は徐々に火照りが乳房の先端に集中しだすのを感じていた。そんな感覚は生まれて初めてだった。
2体の海鼠が両乳房をむしゃぶる。大きく乳房全体を嘗め回していたかと思うと、舌の先端で乳頭を細かく刺激する。
それを繰り返され、紗夢の乳首の火照りは限界に達した。
(だ、ダメェ、なんか出ちゃうヨ!!)
「んあぁぁ!!」
声と共に紗夢の乳房の先端からは白い液体がほとばしった。
舌の上を濡らす白い蜜に反応するように、海鼠は益々活発に紗夢の身体を責めたてる。
下半身も海鼠の舌の餌食となっていた。下着をつけたままとはいえ、密着度の高い下着はほぼダイレクトに舌の動きを身体に伝える。
「ひっ」
良く動く舌でピンクパールや花弁をゆっくりと嘗め回される感触は強制的に劣情を蓄積させていく。
なめくじに責められたときとはまた違った刺激に身体は敏感に反応し、早々に透明な液体が股を濡らした。
しかし全く違う刺激を与えながらも今回の海鼠もなめくじの時と同じく、紗夢をイかせようとはしなかった。存分に舌を使って身体を責めはするのだがそれは紗夢に決定的な快感を与えるものではなかった。まるで紗夢の快楽の許容値を知っているかのように、絶妙な力加減で身体を弄ぶ。
「ひぃん…や、やめ…てぇ…ふぁぁっ」
物理的にはもはや抵抗できるような状況にはなかったが、紗夢は母乳や愛液を滴らせながらも自己の矜持だけで理性を支えていた。
そんな紗夢を更に追い込むように快感地獄は終わることを知らない。