借金返済〜なめくじ〜

※もしもディズィーを倒したということになってなかったら…という話

期日までに借金を返済することができなかった紗夢は、取立て屋の事務所である条件を突きつけられた。
「金が返せないならそれ相応に働いてもらう」
いかがわしい仕事に決まっていたが、紗夢に断る権利はなく渋々これを承諾することになる。元はと言えば自分が蒔いた種だ。
仕事には即座に取り掛かってもらうので別室へ移って欲しいと言われ、紗夢は言われるがままに別室へと移動した。
移動した部屋は実に殺風景だった。窓はなくドアが一つ、加えてソファとベットが一つずつ。壁は石壁のようだ。
(なんか使用人の部屋みたいアル)
部屋を見渡しながらソファに腰掛けて待つが、一向に相手が部屋に来る気配がない。
まだ仕事の内容も聞かされていない。一体何をさせられるのか、不安に思いながら待っていた紗夢だったが、1時間程度経った頃、身体に急に異変が起こった。
身体が痺れてきて動かなくなったのである。徐々にだが確実に身体に力が入らなくなっていく。
(!?)
力なくソファに身体を預ける紗夢。
そこへタイミングを見計らったかのように一人の人間が現れた。
嫌味な金持ちがいたらこんな感じなのだろうなと思い浮かべる典型例のような風体だ。
「それでは仕事の準備を始めさせてもらいましょうか」
「…いや…アナタ誰アルか…?」
「名乗る必要も無いですが。…ま、この仕事の依頼主ということだけ言っておきますか」
「…で、この身体が動かなくなっているのも仕事の一環カ?」
紗夢は身体の不調を訴えたが、さも当然であるように依頼主の男は答えた。
「もちろん。そろそろ薬が効いてくる頃でしょうから」
「…薬? 一体何を…する気アルか?」
「口で説明しなくても大丈夫ですよ。すぐにわかります。とりあえず始めますよ」
男が手で合図を送る。
「…?」
疑問符が頭の上に浮かんでいる紗夢の耳元に妙な音が届いた。 ズル…ズル…。
湿った物体が擦れる様な音だ。同時にベチャッと何かが足元に落ちてくる。
なんとか首を回してそちらを見やる。
「ひっ」
紗夢は思わず声を上げた。
そこにいたモノはなめくじのように見えた。ただし普段見かけるようなモノとは段違いの大きさで、なんとも名状した難いグロテスクな色をしていたが。
そしてそれは一匹ではなかった。同じような音を立てて恐ろしいほどの数のなめくじが紗夢の周りに落ちてきたのだ。
それらはゆっくりと紗夢に近づき、遂には身体を這い登り始めた。
紗夢はこういった生物を生理的に受け付けなかった。肌が総毛立つ。
「い、いやぁ!!」
必死に逃げようとする紗夢の傍で男はニヤニヤと薄笑いを浮かべている。
「んん〜、嫌がる姿がそそりますねぇ。」
もがいて逃げようとするが、薬が効いているために身体はほとんど反応してくれない。必死に身体に力を入れるが、それでもソファから崩れ落ちる程度の動きしかできなかった。
その上、動きが取れないことによって触覚がより敏感になっているらしく、なめくじの動きが恐ろしいほど正確に分かってしまう。
なめくじは紗夢の肩や腕、ふくらばぎ、太ももといった肌の露出した部分に、自らが分泌する粘液をにゅるにゅると刷り込んでいく。
「おやおや、早く振り払わないと大事な部分まで犯されてしまいますよ?」
からかう様に男が言う。
「はぁぁっ」
一方紗夢には余裕が無い。思わず声が漏れる。
「大分気持ち良さそうじゃないですか」
「そ…そんなわけ…ないアル…!」
「フフ…そうですか。まぁそれならそういうことにしておきますが」
あからさまな皮肉。こんな下品な男に言葉で嬲られるのは屈辱でしかない。
紗夢は毅然と振舞おうとしたが、なめくじの責めはそんな態度をあざ笑うかのように、徐々に服の中に潜り込もうとしていた。
露出部分が多く、大きく開いた服はなめくじの進入を拒むことはできず、なめくじは乳房の脇やスカートといった部分から、服と肌の間に軟体をねじ込ませていく。
その間もなめくじは動きを止めず、ゆっくりと豊満な乳房に貼り付きつつあった。左右に一匹ずつ貼り付いたなめくじの底面にある襞が、申し合わせていたかのようにうねうねと動き始めた。先端にある桃色の突起を包み込み、襞を独立した生き物のように動かして撫で回す。
「や…やめ…ひっ」
多数の舌で同時に舐められるような感覚が快感に変化していくのに時間は必要なかった。
「そんなに頑なに足を閉じていたら折角の楽しみが半減してしまうではないですか」
下半身へ向かったなめくじは紗夢が足を閉じているために、股間には到達できずにいた。
男がゆっくりと紗夢の足を持ち上げ、股を開かせる。
「こうすると…ほら…もっと気持ち良くなりますよ」
「だ、だめぇ!!」
足が開くと間もなく、なめくじ達はパンティの中にその体を潜り込ませていった。最も敏感な器官に密着したなめくじは乳房のときと同様、無数の襞をうねうねと動かした。
「ひぅ!」
「どうです? 中々のテクニシャンでしょう?」
嬲るように男が囁く。
「こんなの…全然なん…ともない…ヨ」
「ふむ…どこまでその気丈さが保てるか…せいぜい頑張ってみてください。それではまた後ほど」
そう言い残すと、男はさっさと部屋から出て行ってしまった。
なめくじは大陰唇、小陰唇、陰核といった表面的な部分に襞を絡ませ執拗に弄ぶ。程なくして粘度の高い透明な蜜が周囲を濡らした。
腰や腋の下、首筋などにもなめくじが貼り付き、生暖かい無数の襞が肌の上で自由奔放に動き回った。
全ての個体が独立に柔肌を刺激し、ぬちゅぬちゅと卑猥な音が響く。
「ヤ、ダ…もう…らめ…ひぁぁ!!!」
紗夢の意思とは関係なく、身体は受け取った刺激に対して素直に反応していた。全身が汗ばみ呼吸が荒くなる。豊かな双丘の先端の乳頭が勃ち、性器から溢れる液体の量も徐々に増えてゆく。

「かはっ…はぅ、あぁ…」
どれくらいの時間が経っただろうか。紗夢の口から苦しげな声が漏れる。
紗夢は一度も果てていなかった。なめくじは飽きることなく身体の至る所で蠢き、性感帯を余す所なく責め立てていたが、紗夢を果てさせるような快感を伴なうものではなかった。襞と粘液で全身を、特に性感帯をゆっくりといたぶるように愛撫し、しかし達するほどの激しい刺激は決して加えない。鈍い快感が間断なく全身から襲い掛かり生殺しともいえる状態が続く。それは時間が経てば経つほどに、激しく責め立てられて果てるよりも厳しい責めへと変化する。
(イきたいアル…!!)
当然といえば当然なのだが、紗夢の頭の中ではその欲求が最優先事項となり始めていた。
そして自らオーガズムを欲してしまっているそのことが、紗夢のプライドを突き崩してゆく。
徐々に紗夢の理性を壊しながら、それでも決して果てさせてはもらえず、なめくじによる執拗な責めは延々と続いていく。