変な生物に犯されて

うんちく
魔法体系が確立されると、人々はその副産物として、様々な恩恵に与ることになった。それは実用的な技術に留まらず、多様なニーズ、欲望を満たしていった。
殊アダルトジャンルに置いてはその黒い欲望を存分に満たす決定的な素材を得たと言える。
異種姦において、確固たる地位を占める触手。その触手は魔法生物学を応用することによって現実に存在するものとなった。淫蟲もその中の一種である。淫蟲とは着用者に性的な刺激を加え続ける形の軟体魔法生物で、使用者の意思によって、様々な形状に変化し、刺激の加え方も多種多様に変化する。異種姦に置いては、正に夢の道具と言える。


紗夢は暗い地下室の中にいた。
あれから、何時間経ったのか…。それすらも分からない。
汗が身体全体から滲み出てきているのが分かる。身体が火照る。自分のものではないかのようだ。
紗夢は壁にもたれかかり、座り込んでいた。
(なんで…こんなこと…に…)
なぜ、こんなことになったのか。紗夢は頭の片隅でそれを思い返していた。

紗夢は、負けた方が勝った方の言うことを聞くという条件で、ブリジットとかいうヨーヨー使いから闘いを申し込まれていた。
丁度、臨時の接客係を必要としていることもあったので、この子にそれをやらせようと思い、気楽な気持ちで対戦を受けてたったのだが…。
そこで敗戦を喫してしまった。油断があったわけではない。ただ単に、アチラの力量がコチラの力量を上回っていた。それだけだった。
かくして、紗夢は条件通り、ブリジットの言うことを一つ聞かなければならなかった。反故にしても良かったのだが、客商売は信用が第一である。ここでつまらない噂を立てられても困る。
そうして言われるままに連れて来られたこの地下室で…。

地下室に入るなり、ブリジットは素早く、ヨーヨーの糸で紗夢の腕を捕えると、柱に括り付けた。
「な、何をするアルか!?」
突然のことに、反応できなかった紗夢は腕から吊り下げられた形で、柱に括られてしまった。
そしてブリジットは、どこから取り出したのか、奇妙な生物を手の上に乗せた。
(海星…?)
紗夢の第一印象では、そう見えた。
「さて、紗夢さんにはこの淫蟲を着けてもらいますね」
ブリジットが笑顔で言い放つ。
「…え?」
一瞬何の話か分からなかった。まず紗夢には淫蟲がなんなのか分かっていなかったのだから。
「あれ? 淫蟲を知らないんですか? 意外ですねぇ」
紗夢の訝しがる表情から察したのだろう。さらりと続けた。
「…知らないネ」
「まぁいいですよ。いっぺん着ければ分かりますし。それに…忘れられなくなりますし、ね」
クスリと黒い笑みを浮かべて、紗夢へ歩み寄る。
「やっ ちょと…そんなのドコに着ける気カ!? 嫌アル!!」
まぁ、こんなモノを着けたがる人間はまずいないだろう。
紗夢は抵抗しようとしたが、どうも上手く力が入らない。身体を揺するが、豊満な胸が揺れ動いた程度で、ブリジットの劣情を高めるだけの結果に終わった。
「うーん、このおっぱいはえっちいですねー」
「や、やめるヨロシ!!!」
近づくと海星の構造が良く見えた。海星の裏側、中央部分には口のような器官があり、その周りには口を囲むようにして、外側の細触手よりも一回り大きな触手が円形に生えていた。
紗夢の話も聞かずに、ブリジットは持っていた海星型の淫蟲を紗夢の服の中へ捻じ込んだ。
服の中に潜り込んだ淫蟲は、すぐさま紗夢の乳房を覆うようにその足を広げた。
「やっ あぁ」
「では、もう一つ」
両乳房に、乳房を包み込むような形で淫蟲が着用される。
足の伸縮により、柔らかな乳房が揉まれるままに変形を繰り返す。その度に触手の一本一本が微細な振動によって、紗夢の柔肌を撫で回した。中央部分の口では周辺の細触手がきっちりと乳首を捕え、乳首の先端から根本に至るまで、しつこく弄り回した。その生物から分泌される粘度の高い透明な液体は、触手の動きと相まって、ぬちゅぬちゅと音を立てる。
「んんっ…ひぁぁっ」
「おぉ、いい声ですねー。では次は股間用の淫蟲ですよー」
そう言うが早いか、ブリジットは次の淫蟲を取り出していた。
今度の淫蟲は、鳥が羽を広げたような形だった。紗夢にはあまり見る余裕はなかったが。
「これがどうくっつくかというとですね…まぁいいや。着けたら分かります」
ブリジットは、その淫蟲を紗夢の下着を引っ張ってスペースを作ると、そこへ淫蟲を差し込んだ。
「い、いやぁぁぁ」
紗夢は必死にこれを振りほどこうとしたが、大した効果は得られなかった。
その淫蟲は、左右に開いた鳥の羽に当たる部分を腰へと回し、前後に伸びた触手は性器と尻を包んだ。
「あっぁああっ」
性器だけではなく、股間全体を包み込むようにして貼り付いているその淫蟲は、裏側に密集した細触手が生えており、まるでブラシを連想させた。この蟲はそのブラシを紗夢の股間へと押し付け、執拗に表面を撫で回してきた。細触手は各個が独立しているかのように、にゅるにゅると動き回り、紗夢の柔肉を貪ってゆく。
「ひぁっ そっそんな…だめっ…あああっ」
これらの生物は自らの軟体と細触手を最大限に活用して、紗夢の身体を責め立ててた。
「ひぅっ あはぁぁっ」
紗夢の身体が繰り返し痙攣する様を見て、ブリジットに、再度黒い笑みが浮かんだ。そして、紗夢を括り付けていた糸を外すと
「後はこの部屋で好きにしててください。後でまた来ますね」
と、それだけ言い残して、部屋から出て行ってしまった。

ブリジットがいなくなっても、淫蟲からの刺激は止まらなかった。
この淫蟲は、紗夢を果てさせてはくれず延々と身体を弄り続けた。
絶えず身体へと注ぎ込まれる性的な刺激は、紗夢の体力と精神力を容赦なく削ってゆく。
何度か身体から淫蟲を剥がそうと試みたが、法力が関与しているのか引き剥がすことはできなかった。紗夢は淫蟲と共に数時間と過ごすより他なく、火照った身体は限界に近かった。
あれから、何時間経ったのか…。それすらも分からない。
汗が身体全体から滲み出てきているのが分かる。身体が火照る。自分のものではないかのようだ。
紗夢は壁にもたれかかり、座り込んでいた。
(なんで…こんなこと…に…)
なぜ、こんなことになったのか。紗夢は頭の片隅でそれを思い返していた。
そして…

聞き覚えのある足音に、紗夢の思考は分断させられた。
「紗夢さん、調子はどうですか〜?」
軽い調子の声が響く。ブリジットが扉を開けて入ってきた。
「また…来たアルか…しつこいネ」
なるべく感情を表に出さないようにして言い放つ。
「そんな怖い顔しないでくださいよぉ」
あくまでブリジットはにこやかだ。紗夢の言葉に、何の重圧も受けていないように見える。
「そろそろ、限界かと思ったんですが…」
「こんなの…なんてことない…ヨ」
なんとか気丈さを保つ。ここで折れるのは矜持が許さない。だがしかし、身体の方はそう長い時間は耐えられそうもなかった。
ブリジットの眼にドス暗いものが混ざる。
「むぅー。でもこっちはそんなこと言ってないですよ?」
そう言うと、軽い痙攣を繰り返す紗夢の身体に人差し指で触れた。太ももをつつつ…となぞる。
それだけで紗夢の身体は敏感に反応してしまった。
「あっ…ひっ」
ひくひくと身体が震える。
「まぁでも、これなら堕ちるのも時間の問題ですね」
そんな様子を覗き込みながら、ブリジットは軽く言った。
「だ、誰が…!!」
「もー。強がりはやめましょうよー。それともまだ足りないですか?」
ブリジットは意地悪く微笑み、軽く合図をする。
すると、紗夢の服が盛り上がり、波打つように動き始めた。
「はぁぁっ いやぁぁぁっ!」
服の下で、淫蟲が蠢く様子が見て取れる。
「淫蟲とは、上手く付き合ってるみたいですね」
「はぅっ ひぁぁ!」
淫蟲は乳首が吸い始めた。吸引音が辺りに響き渡る。
「ほーら、気持ちよくなってきたんじゃないですか?」
細触手が念入りに弄っていた乳首は、いつの間にか恐ろしいほどの性感帯と成り果てていた。周辺を念入りに細触手で弄り、先端を吸引する。先程とは比較にならないほどの快感。乳首が溶ろけるかのような錯覚。
それだけで、耐える間もなく紗夢は達してしまっていた。
そして、それは性器も同様だった。数時間火照ったまま弄られ続けた陰核は、極限まで敏感になり、もはや紗夢自身にはどうしようもない状態になっていた。
細触手がネチネチと陰唇、クリトリスを撫で回す。
「そ、そこは…だ、め…らめアルぅぅぅぅ!! あはぁぁぁぁ!」
容赦なく快楽の波が押し寄せる。その度に、紗夢は何度も達してしまう。
「どうですか、紗夢さん。イイ感じでしょ?」
「あひぃぃぃぃ! ああああぁぁぁ…」
紗夢はちらとブリジットを睨んだが、それ以上のことはできなかった。まとまりかけた思考は淫蟲に注入される快楽によって押し流され、意識が乳房と股間に集中する。
「むぅ。もう答えられる余裕もないですか」
満足そうにブリジットが入口へ向かう。
「落ち着いたら、もう一度見に来ますね。…それまで壊れてなかったら、ですけど」
そう言い残すと、ブリジットはゆっくりと扉から出て行った。
「い、いやぁぁぁぁぁぁ!」
紗夢の悲鳴が響く中、ブリジットが出て行った扉がパタン、と小さな音を立て、閉じられた。