悪魔の森の奥では…
「中々の収穫だったアルナー♪」
紗夢は上機嫌だった。それもそのはず。悪魔の森と呼ばれる普段は誰も寄り付かない深い森の一画で、市場で高級食材として取引されている植物の群生地を見つけたからだ。
普段なら仕入れにかなりの額を費やす必要があるこの食材を無料で手に入れられる場所を見つけたことによって、紗夢は浮かれていた。
それで、普段は通ることのない近道を通って帰ることにした。
足取り軽く帰路についた紗夢だったが、途中で足を踏み出した途端に足元の感覚が消えた。落とし穴のような穴が開いていたのである。
「あっ!!!」
草むらに隠れ、巧妙に隠されていたその穴の口に、バランスを取る間もなく落ちる。普段ならこんなモノに引っかかるわけはないのだが、ほんの少しの気の緩みが紗夢を油断させていた。
穴は思いの外深く、落下の衝撃で紗夢は気を失ってしまった。
目を覚ますと、紗夢は自分の手足が完全に緑色の生物に捕らわれていることに気が付いた。
いくら力を入れても、軟体の触手はぴったりと身体に張り付いて取れない。
「うっ…くぅ…」
それでも必死に脱出を図って身体をくねらせていると、目の前につぼみのような形をした生物(と思われた)が現われた。
「な、何アルか…?」
つぼみが目の前で開く。粘度のある液体独特のニチュア…という音が辺りに響いた。中には細かい繊毛がびっしりと生えており、中央の穴からは長い舌が顔を覗かせていた。
「ひっ…」
一体何が起きようとしているのか。紗夢の頭がフル回転し、悪魔の森に関する情報の中に一つ思い当たるものを探り当てた。
曰く
「悪魔の森には、人間の女の精を喰らって生きている変種の生物がいる」
「喰われたそいつらは何事もなく帰ってこれるが、大部分は精を取られたときの記憶を持っていない」
「討伐隊が組織されたこともあるが、それらしい生物は見つからなかった」
ギアの掃討は完了してるとはいえ、先日ギアハーフの少女と出会ったばかりだ。他の形態で活動状態を維持しているギアもいるのかもしれない。
その話を小耳に挟んだときは、そんなこともあるのかなと聞き流していた。何分噂程度の話だった上に、自分なら捕まる前に逃げ切れるという若干の自負もあったからだ。
そこまでの情報を一気に頭の中で並べ立てて、紗夢は戦慄した。逃げ切れると言うのは捕まる前の話だ。ここまで拘束が強くては、身体の向きを変えるのでさえ厳しい。
(もしかして…こいつが…? …アタシを食い物にする気カ!?)
紗夢の絶望的な疑問は一気に氷解した。
目の前の花びらにある舌が左の乳房を嘗め回し始めたからである。
「い…いやぁぁ!」
必死に身体を捻って逃れようとするが、拘束はびくともせず、触手は悠然と乳首を舌の上で転がしている。
同時に、手足を拘束している触手から粘液が分泌され出した。ぬるぬるの液体が紗夢の柔肌に刷り込まれる。
花びらの中の舌は、恐ろしいほど巧みに乳房の先端にある性感帯を責め立て、紗夢の劣情を煽った。
「ふぅ…ぅあっ」
意図しない喘ぎが口から漏れる。身体が熱くなり、どうにも耐えられなくなっていく。
それは先程から紗夢の身体に刷り込まれている粘液の効果なのだが、紗夢はそれに気付く余裕もない。
舌で乳首を攻められ、快感が頭の先を何度も突き上げる。程なくして紗夢は乳房に張りを感じはじめた。何かが込み上げてくるような感覚。ともすれば何かが噴き出しそうになるのを紗夢は必死で堪えたが、生まれて初めて味わう感覚を我慢することは不可能に近かった。それは徐々に強くなり、容易に限界を迎えた。
「あうっ!! も、もうダメアル!!」
紗夢がそう叫ぶと同時に、乳首から白い液体がほとばしった。どうやら母乳のようである。
触手はその母乳を丁寧に舐め取り、さらに母乳を出させるべく、右の乳房にも別の触手が群がる。
「!!?」
乳房を鷲掴みにしている触手の中では繊毛が蠢き、舌がうねうねと乳首を刺激した。
母乳が出ることを確認すると、口は「舐める」から「吸う」に動きを変え、さらに紗夢に刺激を加えていった。
花びらが豊かな乳肉を何回もゆっくりと揉みしだく。たぷんたぷんと悩ましげな音を立て、紗夢の乳房は触手の責めに応じて形を変えた。そしてその度に乳房の中には濃い母乳がたっぷりと作られ、蓄えられていった。
じゅるじゅるっ…と卑猥な音が、驚くほど大きく聞こえる。その度に紗夢の身体は敏感に反応し、甘く濃い母乳を触手に提供する。
「ひっああっ」
あまりの快感に紗夢の理性は焼き切られる寸前だった。それでも尚、触手は紗夢が限界だと思っているさらにその上の快感を身体に叩きつけてくる。
あまりの激しさに、紗夢は自分が一気に登りつめていくのを感じていた。ここで達してしまったらもう戻れないと頭の中で警笛が鳴る。
しかし、触手の責めは我慢できるようなものではなかった。細かな繊毛の動き、舌のうねり、吸引の強さ、その全てが紗夢の敏感なところを責めたてた。
「ーーーーーっ!!!」
声にならない叫び声を上げ、先程よりも更に多くの母乳を吹き出させながら紗夢は遂に達してしまう。
意識が遠のき、目の焦点が合わなくなる。
だが、そんな状態も意に介せず触手は紗夢の豊満な胸を責め続けた。
遠のきかけた意識が、快感で無理やり引き戻される。
「も、もうダメぇ…やめてぇぇぇ!!」
快感に耐えられなくなった紗夢が悲痛な叫びを上げるが、触手達がそれを聞く訳もなく、一層刺激を強めてくる。
紗夢の快感地獄はまだまだ始まったばかりなのである。